西遠流域下水道

西遠流域下水道一日遅れの記事ですが、昨日「西遠流域下水道 西遠浄化センター」に行きました(写真)。

下水道は基本的には市町村が事業運営しますが(「公共下水道」と呼びます)、複数の市町村にまたがる場合「流域下水道」として県が運営しています。

静岡県には、「西遠 流域下水道(浜松市)」のほか、西から「天竜川左岸 流域下水道(磐田市)」、「静清 流域下水道(静岡市)」、「狩野川 流域下水道 西部処理区(沼津市など5市町)・東部処理区(伊豆の国市など3市町)」の、4流域・5処理区があります。

お気づきかもしれませんが、「狩野川」以外は「流域下水道」なのですが “1市単独” です。これは、以前、複数の市町にまたがっていたものが、市町村合併で1市になったことによります。

ただし“合併特例”により、10年間、「流域下水道」として引き続き運営しているということで、今後、平成25年度に「静清」、平成27年度「天竜川左岸」、平成28年度「西遠」が、それぞれの市に移管されます。

「西遠浄化センター」は県下最大の施設で、日当たり15万トンの処理能力がありますが、移管までに20万トンに増強される計画となっています。

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8月末に、浜松市から県に出された「平成24年度県予算に対する要望事項」のひとつに、「西遠流域下水道施設の地震対策事業及び津波対策促進」がありました。

下記のページで場所を見ていただければわかりますが、「西遠浄化センター」は天竜川河口の海岸端にあり、誰もが「津波・・・大丈夫?」と聞きたくなる場所にあります。

★西遠浄化センター(静岡県下水道公社のサイト)

施設全体の高さは約4.5m。海岸に6m弱の防潮堤があり、現在の第3次地震被害想定では浸水は予想されていませんが、津波被害想定の見直しを踏まえた対策は不可欠です。

浜松市の言い分は、「平成27年度末までに県でしっかり津波対策をやれよ」ということです。聞けば、「流域下水道」の方が、国庫補助を受ける際のメリットが大きいとのことでしたので、移管後に浜松市がやるよりも早めの対策が必要ですね。

また、「下水管(管きょ)」について質問したところ、流域下水道が持っている“幹線”は、大きさと埋設の深さから「耐震性は高い」との話でした。

しかし、幹線の通っている天竜川右岸や浜松市南部は液状化が懸念されていますので、今後、検証したいと思います。

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また、今後の課題として避けられないのは「財政課題」です。

流域下水道の移管に際しては、「資産」はもちろんですが「負債」もセットで移管されます。

浜松市の下水道の借金は1900億円弱。市の借金全体の35%ほどを占めていますが、そこに上乗せされることになります。おそらく約140億円ほどではないか・・・ということですが、こちらも今後チェックします。

幸い(?)、「静清流域下水道」が静岡市に移管されるのが先ですので、そちらの状況をウォッチしていきたいと思います。

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なお、県内の4流域下水道は「財団法人 静岡県下水道公社」が管理運営していますが、5年後には「狩野川」のみになってしまいます。

今後、どうしていくのか? 外郭団体改革のひとつとして検証します。

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「西遠浄化センター」の屋上は緑の芝生が広がる公園で誰でも入れます。休みの日には地域のスポーツ少年団などが活用しているとのことで、地域にも貢献しているようです。

下水道は公共性の高い施設ですので、行政の仕事として当然やっていかなくてはいけませんが、住民に愛される施設であると同時に、安全性や効率性をしっかりチェックしていく必要があります。


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