マツダ城下町の産業支援

今日は広島に行きました。目的は次世代自動車に向けた広島地域の取り組みの調査です。マツダが地域経済の柱である広島県では、産学官連携の中、カーエレクトロニクス化の推進に積極的に取り組んでいます。

「ひろしま産業創造機構カーエレクトロニクス推進センター」に視察の依頼をしたところ、「広島大学医学部に来てください」とのこと。

「えっ、医学部?」と率直な疑問を抱きつつ訪問しました。

同センターではこれまで産業のエレクトロニクス化支援に取り組んできましたが、最新の研究が「医工連携」により設置した「人間医工学自動車研究センター」です。ここでは生体学に基づいた快適性の向上やEVの電磁波の影響調査、さらには居眠り運転防止などの運転支援システムの研究開発を行っています。

エレクトロニクス推進センター長の岩城氏によると「広島は愛知や関東に比べカーエレクトロニクス化が15年遅れている」「100%EV化が進めば地域の部品産業への影響は5000億円に上る」「低く見積もっても2020年には480億円の損失リスクがある」とのこと。

これに対応するため、広島では、県と市さらに経済産業省中国経済産業局も参画し、ひろしま産業振興機構を支援しています(岩城氏は「産学官金連携」と言っていました)。

浜松市にも「次世代環境車社会実験協議会」がありますが、広島にも同種の組織として「次世代自動車社会研究会」がありました。

違いは、広島では県単位の取り組みとなっていること、さらにそれを包含した「戦略的産業活性化研究会」があり、最新研究分野として「医工連携自動車研究会」を設置している点です。

視察させていただいた“居眠り防止のための脳の覚醒の仕組みの研究”など個別の取り組みももちろん参考になりましたが、最も参考になったのは「グランドデザイン」がしっかりしていることでした。

浜松にも県と市の外郭団体「浜松地域イノベーション推進機構」があります。ここを中心に産学官が基本的な方針を共有化して、既存の自動車関連産業を将来どうしていくのかが問われています。

先進事例研究とともに、静岡県・浜松市の現状分析を進めたいと思います。


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